望遠鏡・機材

スマホで星空撮影 設定と手順の基本

更新: 星野 千紗

スマホで星空を撮る方法は、iPhoneのナイトモードやPixelの天体撮影モード、GalaxyのExpert RAWを使って、長時間露光と完全固定を前提に星の光をため込む撮影法である。
三脚を持たずに遠征先で車のボンネットへスマホを置き、ナイトモードを30秒まで伸ばしただけで思った以上に星が写ったとき、真っ黒・ブレ・ピンぼけの原因が機種ではなく設定と固定の甘さにあると腑に落ちた。
iPhone 11以降は暗所でナイトモードが自動起動し、手持ちで最長約10秒、固定すると最長30秒まで伸ばせるので、まずはセルフタイマー3秒を使って指の振動を消すところから始めましょう。
新月前後の暗い空を選び、露光時間とISO、ピントを順に詰めれば、専用機材がなくても天の川は十分に狙えます。

スマホで星空は撮れる?最初に知っておく3つの前提

スマホで星空を撮る鍵は、暗い光を数秒から数十秒ため込む長時間露光と、ブレを抑える固定にあります。
一瞬のシャッターでは星の光が弱すぎて写りにくく、さらに空が明るいと淡い星雲や天の川は背景に埋もれてしまいます。
まずは「暗い空」「固定」「長時間露光」の3つがそろって初めて、スマホでも星が浮かび上がると押さえておきましょう。

なぜスマホでも星が写るのか

星が写るのは、暗所で光を溜める長時間露光と、複数枚を重ねてノイズを減らす画像合成のおかげです。
人の目には一瞬のように見える星の光も、センサーにとっては弱い信号でしかありません。
そこで露光時間を伸ばし、さらに重ね合わせることで、肉眼では見えにくい点光源が輪郭を持って現れます。
手持ちで無理に撮るより、仕組みを知って設定の意味を理解したほうが結果は安定します。

実際、郊外の駐車場で三脚にスマホを固定しただけで北斗七星がくっきり写ったことがあります。
プラネタリウム級の暗さまで行かなくても、空が十分に暗く、カメラが止まっていれば画は一変するのです。
逆に、手持ちで粘って撮った写真はどれもブレていて使いものになりませんでした。
三脚を出した途端に解決したので、固定の有無が結果を分けると体で覚えました。

標準カメラで撮れる機種・専用アプリが要る機種

iPhone 11以降はナイトモードが暗所で自動起動し、標準カメラだけで星空に挑めます。
しかも手持ちなら最長約10秒、三脚などで固定すれば最長30秒まで露光が伸びるため、暗い星まで拾いやすくなります。
露出スライダーの太陽マークを上げて秒数を伸ばす操作も、星を写すうえでは理にかなっています。
iPhone系は、まず標準カメラで試せるのが強みです。

ただし、古い機種や一部のAndroidは標準カメラに長時間露光モードがなく、マニュアル設定ができる専用アプリが必要になります。
Google PixelはPixel 4以降のNight Sight内に天体撮影モードを備え、Samsung GalaxyはExpert RAWやプロモードでISO・シャッター・ピントを細かく詰められます。
どの機種でも共通するのは、シャッタースピード10〜30秒、ISOは暗所なら1600〜3200、街明かりがあるなら800〜1600、ピントは無限遠(∞)が目安になることです。
RAW保存までできれば、後からの調整幅も広がります。

三脚なしでは厳しい理由

数秒でもスマホが動くと画質は著しく低下します。
長時間露光中は、指先の振動や呼吸の揺れだけでも星が線になり、点の輪郭が崩れます。
セルフタイマー3秒または10秒を使ってシャッターを押した後に手を離すのは、その振動を避けるためです。
手持ちで撮れるのは明るい月や夜景寄りの被写体で、星空では別物だと考えたほうがいいでしょう。

固定が効く場面ははっきりしています。
新月前後の数日を選び、肉眼でうっすら天の川が見える暗さの場所へ行けば、スマホでもSNS映えする星空は十分狙えます。
満月の夜や街中では背景光が強く、淡い星は押し流されます。
つまり、撮れる条件は暗い空、固定、正しいモードの3点です。
ここがそろって初めて、スマホは星空撮影の道具になります。

iPhoneのナイトモードで星空を撮る手順

iPhoneの標準カメラだけでも、三脚で固定し、ナイトモードを30秒まで伸ばし、セルフタイマーで振動を消せば、星空はずっと写りやすくなります。
暗い場所で黄色いナイトモードのアイコンが点いたら、そのまま露光時間を伸ばす準備に入りましょう。
手持ちで撮ると秒数が伸びにくく、暗い星が沈んでしまうため、まずは固定と露出の調整を順番にそろえることが近道です。

ナイトモードを最長30秒にする操作

カメラアプリを開いたら、まず画面左上の黄色いナイトモードのアイコンを見ます。
暗所では自動で点灯するので、ここが消えていればタップして有効化します。
次に、iPhoneを三脚やスマホスタンドでしっかり固定してください。
固定を検知すると、ナイトモードの秒数スライダー上限が10秒から30秒に切り替わり、右端まで動かせるようになります。
初心者がいちばんつまずきやすいのは、この切り替えが出ないまま撮ろうとしてしまう点です。
スライダーが10秒止まりなら、固定が甘い合図だと考えて、脚を開き直してからもう一度確認しましょう。

ピントと明るさ(露出スライダー)の調整

画面をタップしてピント枠を出し、その横に現れる太陽マークを上へ引き上げると、露出が上がって画面全体が明るくなります。
ここで見た目だけを整えるのではなく、暗い星まで拾うための操作だと考えると分かりやすいです。
明るさを少し持ち上げると、ナイトモードが光をため込む時間も伸びやすくなり、10秒では埋もれる淡い星が30秒では残りやすくなります。
星の数を稼ぎたい場面では、無理にズームせず、ピント枠を安定させたうえで露出を少しずつ調整するのがおすすめです。
実際、スライダーを少し上げただけで空の階調が浮き、写る星の粒が増えた手応えがありました。

シャッター振動を消すセルフタイマー設定

30秒露光では、シャッターを指で押した瞬間の振動がそのままブレになります。
そこでセルフタイマーを3秒か10秒に設定し、手を離したあとに揺れが収まってから露光を始めます。
押した直後にカメラへ触れない、この一手間が仕上がりを分けます。
指で押していた頃は、星の輪郭がわずかににじんでいたのに、セルフタイマー3秒に変えた瞬間、像がすっと締まりました。
微ブレが消えると、30秒の長さがそのまま星の情報量に変わるので、星空撮影ではかなり効きます。

ナイトモードはiPhone 11以降で使える機能です。
対応機種であれば標準カメラのまま手順を組めるので、まずは黄色いアイコン、30秒表示、セルフタイマーの3点をそろえて撮ってみましょう。
暗い空で固定できた1枚は、手持ちの何枚よりも星をきれいに残してくれます。

Pixel・Galaxyなど Android で星空を撮る手順

PixelとGalaxyの星空撮影は、標準カメラの中にある夜景系機能をどう引き出すかで結果が大きく変わります。
PixelはNight Sightの天体撮影モードが強力で、GalaxyはExpert RAWやプロモードで露出とピントを追い込めるのが持ち味です。
標準で長時間露光が使えない機種でも、秒数・ISO・フォーカスを手で決められるアプリを足せば、暗い星まで写せます。
まずは自分の機種で何が使えるかを見極め、そのうえで三脚固定とセルフタイマーを組み合わせましょう。

Pixelの天体撮影モードの使い方

Pixel 4以降はNight Sightの中に天体撮影モードがあり、約4分の長い露光で星や天の川をしっかり写せます。
Androidの中でも星空に強い機種だといえる理由は、暗い空をただ明るくするのではなく、長時間の蓄積で点像を崩さず拾えるからです。
実際に初めて使ったときは、約4分じっと待つ間は少し不安でしたが、表示された一枚に天の川が浮かび上がっていて、待つ価値をはっきり感じました。

操作は単純です。
Night Sightを起動し、三脚で固定して数秒静止させると、シャッターボタンが星のアイコンに変わって天体撮影モードへ入ります。
最近のカメラアプリ更新では、手動で天体モードを選べるようにもなりました。
ここで効いてくるのがナイトモードの起動条件で、端末が静止していることと、カメラが星空を認識できることです。
セルフタイマー3秒または10秒を使えば、押した瞬間の揺れを避けやすくなります。
しましょう。

露出スライダーも見落とせません。
太陽マークを上げると秒数が伸び、10秒では拾えない暗い星まで写し込みやすくなります。
三脚で固定するとナイトモードのスライダー上限が10秒から30秒に切り替わるため、まず固定、次に露出調整という順番が扱いやすいです。
暗さを怖がって露出を上げすぎるより、空の明るさに合わせて少しずつ伸ばすほうが、星の粒立ちが残ります。
試してみてください。

GalaxyのExpert RAW・プロモード

Samsung GalaxyはExpert RAWやプロモードを使い、ISO・シャッタースピード・ピントを手動で調整して星空を撮ります。
オート任せでは空の明るさに引っ張られやすいですが、星は点で写すので、露出とフォーカスを自分で決めたほうが狙いが明確です。
Expert RAWには星座ガイドの表示機能もあり、写したい方向を空で確認しながら構図を作れるのが便利でした。

現場では、手動ピントのスライダーを少しずつ動かし、星がいちばん小さく締まる位置を探り当てます。
このひと手間で、星がにじんだ一枚と、星座線が見える一枚の差が出ます。
Galaxyは設定項目が多いぶん戸惑いやすいものの、ISO、シャッタースピード、ピントの3点を押さえれば、夜空の表情はかなり整います。
セルフタイマー3秒または10秒を入れて、押し込みの振動を消してから撮りましょう。

標準で撮れない機種はマニュアル撮影アプリを使う

標準カメラに長時間露光モードがない機種では、マニュアル設定できる撮影アプリを使います。
見るべき基準は、秒数とISOとピントを手動で決められることです。
この3つがそろうと、明るい街灯の影響を避けながら、空の暗さに合わせた撮影へ切り替えられます。
名称より中身が先で、星を撮るには「何秒で、どれだけ感度を上げ、どこにピントを置くか」がすべてです。

Androidは機種・メーカーごとに名前も操作も違うため、まず標準カメラに天体や長時間露光のモードがあるかを確認し、なければアプリで補う順番が自然です。
ここでの判断を急がないほうが、遠回りに見えて結果は早い。
三脚で固定し、ナイトモードが30秒まで伸びるならその範囲で試し、足りなければさらに細かくマニュアルへ進む、という流れがいちばん再現しやすいです。
おすすめです。

失敗しないカメラ設定

星空撮影では、まずシャッタースピード、ISO、ピント、ホワイトバランス、RAWの5点をそろえるだけで、仕上がりの安定感が大きく変わります。
暗い空では露光をやや長めに取り、街明かりがある場所ではISOを控えめにするのが基本です。
ここを外さなければ、細かな機種差に振り回されず、見える星の数と画の静けさを両立しやすくなります。

シャッタースピードとISOの早見

シャッタースピードは10〜30秒が目安で、最初は20〜30秒から試すと扱いやすいです。
露光時間を長くすると暗い星まで拾いやすくなりますが、長すぎると地球の自転で星が点ではなく線になり、せっかくの夜空がにじんで見えてしまいます。
星を増やしたい気持ちと、星を止めて写したい条件の折り合いを、まずはこの範囲で探るのが近道でしょう。

ISOは暗い場所では1600〜3200、街明かりがある場所では800〜1600が目安です。
以前、ISO3200で撮ったときはノイズが強く、星とザラつきの区別がつきにくくなりました。
そこで1600まで下げ、シャッターを長くして撮り直したところ、夜空の滑らかさが戻りました。
明るさだけを優先すると画質が崩れるため、ISOは上げれば解決、ではないのです。

ピントを無限遠(∞)に合わせる

ピントは無限遠(∞)に合わせるのが鉄則です。
遠くの星も2km先の街灯も、ピント位置としては同じ無限遠に集まります。
マニュアルアプリならフォーカスを∞側いっぱいに寄せ、明るい星を画面で拡大して輪郭が最も細くなる位置まで追い込むと安定します。

無限遠のつもりがわずかにズレていて、星がふわっとにじんだ失敗は何度もありました。
その経験以来、撮影前に明るい星を拡大表示して確認する癖がつきました。
自動ピントを使う場合も、遠くの灯りや明るい星で一度合わせて固定してしまえば、暗い空で迷いにくくなります。
ここを丁寧に詰めるだけで、同じ露光でも星の輪郭が見違えます。

ホワイトバランスとRAW保存

ホワイトバランスはオートでも撮れますが、色温度3000〜4000Kにすると夜空の青が自然に出やすいです。
黄ばみが強いと感じたら少し下げ、青すぎて冷たく見えるなら少し上げる、という調整の仕方が実用的です。
星空は白飛びよりも色のバランスが印象を左右するので、ここを整えるだけでも画面の雰囲気はかなり変わります。

可能ならRAW形式で保存しましょう。
RAWは後から明るさや色を動かしやすく、淡い星や天の川の階調を引き出しやすいからです。
容量は増えますが、星空撮影は撮って終わりではなく、少し整えて完成に近づける前提で考えるとRAWの利点が生きます。
ホワイトバランスを3000〜4000Kに寄せたうえでRAWを残しておけば、仕上げの自由度がぐっと広がります。

撮影日と場所の選び方

撮影日は、まず月齢から決めると失敗しにくくなります。
淡い天の川や暗い星は月明かりで驚くほど簡単に消えるため、満月に近い夜は空が明るすぎて写らないことがあるからです。
月の影響がほぼない新月の前後数日を狙い、月齢カレンダーを起点に計画を組むと、現地で「何も写らない」事態を避けやすくなります。

月齢は新月前後を狙う

満月の夜に意気込んで出かけても、空の明るさに負けて天の川がほとんど浮かばないことがあります。
実際に同じ場所へ新月の週に出直しただけで、まるで別世界のように写った経験がありました。
月明かりは星景写真の敵で、見えているつもりの淡い構造までまとめて押し流してしまいます。
だからこそ、撮影計画は機材選びより先に月齢を確認するところから始めるのがおすすめです。

月齢を先に押さえておくと、構図や移動の準備が無駄になりません。
暗い星雲や天の川の縁は、少しの月光でもコントラストが落ちてしまうためです。
新月前後の夜は、同じ露出でも空の抜け方が変わりやすく、星の粒立ちも安定します。
まず月齢カレンダーを見て、撮影候補日を新月前後に寄せてみてください。

光害の少ない場所と方角

場所選びの基準は、肉眼で天の川がうっすら見えるかどうかです。
肉眼で薄く見える暗さの場所なら、長時間露光ではっきりと天の川が写ります。
街明かりから離れた山間部、湖畔、海沿いは候補になりやすく、空そのものが暗い場所ほど撮影の余地が広がります。
肉眼で真っ暗に感じても、30秒露光すると画面に天の川が浮かび上がって声が出ることがあり、現場ではその差に驚かされます。

ℹ️ Note

暗い場所ほど何も見えないように感じますが、カメラはその暗さの中から天の川を拾い上げます。肉眼の印象だけで判断せず、空の暗さを撮影可能性の指標として見るのが近道です。

方角も見逃せません。
撮りたい天体や天の川が昇る方向に、光害が少ない場所を選ぶと写り方が一段変わります。
たとえば春先の2〜3月は、天の川が東〜南の低空に昇るため、その方向に街明かりが少ない地形が有利です。
山の稜線や市街地の位置まで含めて見ると、同じ遠征でも結果が安定します。
地図上の距離だけでなく、空のどこが暗いかを意識して場所を選びましょう。

天の川を狙うシーズンと時間帯

天の川を主役にするなら、季節と時間帯を合わせる必要があります。
中心部が濃く見える夏は、8月の21〜23時頃が撮影しやすく、空が十分に暗くなった段階で見応えのある帯が上がってきます。
狙う対象によって最適な月と時間が変わるので、撮りたい構図を先に決めてから遠征日を組むと計画に落とし込みやすいです。

春先の2〜3月は、天の川が東〜南の低空に現れるため、見上げる高さが低いぶん地平線付近の透明度も効いてきます。
雲や薄い靄がある夜は星がかすみ、せっかくの構図が平板になりがちです。
晴天かつ空気が澄んだ夜を選ぶだけで、同じ設定でも写りは大きく変わります。
設定を詰める前に、まずは空の状態と撮影時間帯を整えること。
満足できる一枚への近道です。

真っ黒・ブレ・ピンぼけ 三重苦の原因と対策

星が写らない、線になる、ピントが甘い、画面がざらつく――スマホの星空撮影でつまずく原因は、だいたいこの4つに集約されます。
最初に症状を切り分けると、直す順番が見えやすくなります。
筆者も最初の数回はこの三重苦に全部当たり、固定とセルフタイマーとピント固定を一つずつ直したら、ようやく最後の一枚で星が写りました。

真っ黒・暗すぎるとき

真っ黒で何も写らない原因は、露光不足と空の明るさ不足です。
スマホの標準カメラにナイトモードや長時間露光が出ない機種では、そもそも星空に向きません。
そういうときは、マニュアル設定アプリで秒数とISOを上げるか、街灯の少ない場所へ移動して、光を集める条件そのものを変えるのが近道です。
暗い空を選ぶだけでも、同じ設定のまま見え方が変わります。

星が線になる・ブレるとき

星が線になるときは、スマホ本体の揺れが原因です。
三脚で固定していても、シャッターを押す指の振動で像が崩れることがあります。
そこでセルフタイマー3秒か10秒を使い、手を触れずに撮る流れに切り替えます。
リモートシャッターがあれば、なお安定します。
固定できたのに流れて見える場合は、まずこの振動を疑うと切り分けが速いでしょう。

ピンぼけ・ノイズだらけのとき

ピンぼけは、オートフォーカスが暗闇で迷うのが主因です。
ピントを無限遠(∞)に固定するか、明るい星や遠くの灯りで合わせてからロックすると、星が点として残りやすくなります。
撮影前に拡大表示で確認し、星がにじんでいないかを見る習慣も効きます。
ノイズだらけの失敗は、明るくしようとしてISOを上げ続けたときに起きやすいです。
スマホ内で無理に明るくしたり、デジタルズームを上げすぎたりすると、星とノイズの区別がつきにくくなります。
ここはISOを控えめにして秒数で稼ぎ、必要なら複数枚合成でざらつきを減らすのが正攻法です。
筆者も以前は「明るければ見えるはず」とISOを上げ続け、画面全体が砂をかぶったようになりました。
そこから秒数優先に切り替えた瞬間、星の点が戻ってきたのを覚えています。

症状は一つだけとは限りません。
固定、ピント、秒数・ISOの順に一つずつ潰していくと、どこで崩れているかが見えます。
まずは動かさないこと、次にピントを合わせること、最後に露光を詰めること。
この順番で試してみてください。

撮った写真を仕上げる

撮った直後の星空写真は、暗さやノイズで眠く見えても、仕上げで印象が大きく変わります。
明るさ、コントラスト、彩度を少し整えるだけで、肉眼で見た夜空の記憶に近づき、星の存在感もぐっと立ち上がります。
撮影で終わりにせず、編集まで含めて一つの工程として考えると、スマホでも写真の完成度は上げやすくなります。

明るさ・コントラスト・彩度の基本調整

まず触りたいのは明るさです。
星を見せたいからといって全体を持ち上げすぎると、空の締まりが消えて平板になります。
そこで露出を少し上げ、星が埋もれないところまで引き出したら、コントラストで黒い空を締め直し、最後に彩度をわずかに加える流れが扱いやすいでしょう。
Snapseedなど無料アプリでここまで完結できるので、スマホ星空撮影の仕上げとしては十分実用的です。
撮ったままでは暗かった一枚でも、この順番で整えると、その場で見上げた星空の印象に一気に近づきます。
やりすぎると不自然さが前に出るため、肉眼の感動に寄せるくらいで止めるのが。

ノイズを減らす複数枚合成

暗い空を持ち上げると、星より先にザラつきが目立つことがあります。
そこでは複数枚の写真を合成するスタッキングが効きます。
同じ構図で数枚撮って重ねると、ランダムなノイズは平均化されて減り、星の位置や輪郭は残りやすいからです。
実際に同じ夜景を一枚撮りと合成で見比べると、空のなめらかさがはっきり違い、星の周りの汚い粒状感も消えて驚きます。
撮影の段階で構図を固定し、あとで重ねる前提を持つだけでも、仕上がりは安定します。
手間は少し増えますが、暗い場所で撮るほど効果を感じやすい方法です。

無料編集アプリの選び方

無料アプリで始めるなら、まずは明るさやコントラストを細かく触れるものを選ぶと進めやすいです。
Snapseedはその入口として扱いやすく、露出、コントラスト、彩度といった基本の調整を一通り試せます。
RAWで撮っておくとさらに自由度が上がり、暗い階調を持ち上げても破綻しにくく、淡い天の川や星の色も後から引き出しやすくなります。
容量は増えますが、編集で救える幅を考えると見返りは大きいです。
まずは無料アプリで基本を固め、慣れてきたらRAWを活かす流れにすると、スマホでも仕上げの伸びしろを実感しやすいでしょう。

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星野 千紗

元カメラメーカーマーケティング部門出身の天体写真家・ライター。惑星撮影を年間100夜以上追いかけ、撮影テクニックから宇宙の科学まで幅広くカバーします。

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