ブルームーンとは|月2回目の満月の意味と次はいつ
ブルームーンとは、色とは関係なく、1か月に2回目に訪れる満月の呼び名で、読み方は「ぶるーむーん」です。
プラネタリウム勤務時代の観望会でも「今夜のブルームーン、青いんですか?」と毎回のように聞かれましたが、まずここを押さえるだけで誤解はすっきり解けます。
珍しい現象ではありますが、平均で約2〜3年に1度、つまり30〜33か月に1度ほど起こり、英語の once in a blue moon が「ごくまれに」を意味する感覚ともつながっています。
ただ、見た目はいつもの満月と同じで、当夜に月が青く光るわけではありません。
ブルームーンには、1か月に2回目の月相型と、1季節に3番目の季節型という2つの定義があり、現代に広まった月相型は1946年の記事の取り違えから定着しました。
この記事ではその背景をほどきながら、次のブルームーンが2026年5月31日、その次が2028年12月31日だと分かるところまで案内します。
さらに、火山噴火で本当に月が青〜緑がかって見える別の現象も整理して、ニュースやSNSで見かける「ブルームーン」を正しく見分けられるようにしましょう。
満月観望の計画を立てたい人にもおすすめです。
ブルームーンとは?月2回目の満月を指す呼び名
ブルームーンは、1つの暦月のなかで満月が2回あるとき、その2回目の満月を指す呼び名です。
最初の満月はその月の通常の満月で、見え方に特別な違いはありません。
名前だけを見ると青い月を想像しがちですが、実際にはカレンダーの巡り合わせについた愛称だと捉えると理解しやすいでしょう。
『月2回目の満月』というシンプルな定義
月相型ブルームーンの核心は、満月から次の満月までの周期が約29.5日であることにあります。
30日や31日の暦月より少し短いため、月初めに満月が来ると、月末にもう一度満月が入ることがあるのです。
観望会で「2回目の満月ですよ」と説明すると、多くの人が「ああ、そういうことだったのか」と納得してくれます。
仕組みを知ると、珍しい名前のわりにとても素直な現象だとわかります。
月が青く染まるわけではない
ブルームーンという呼び名に反して、月が青く染まることはありません。
満月の色は普段と同じで、夜空に浮かぶ見た目も基本は白いままです。
満月の夜に空を見上げてもいつも通りの月が見えるので、青さを期待していた子どもが少し残念そうにしていたこともありました。
それでも、この言葉は「青い月」そのものではなく、あくまで珍しい並びを覚えやすくした表現として親しまれています。
実際の青い月は、火山噴火や大規模な森林火災で大気中に微粒子が広がったときに起こる別の現象です。
約2〜3年に1度というレア度
月相型ブルームーンは平均で約2〜3年に1度、およそ30〜33か月に1度の頻度で起こります。
この間隔だからこそ、ニュースやSNSで話題になりやすく、「聞いたことはある」と感じる人が多いのでしょう。
とはいえ、望遠鏡がなくても肉眼で楽しめる現象ですし、構えすぎる必要はありません。
読み方は「ぶるーむーん」で、満月の夜に観望のきっかけとして話題にしやすい言葉でもあります。
観望会でもその響きの親しみやすさが効いていて、満月を見上げる入口としておすすめです。
なぜ1か月に満月が2回起こるのか
満月は、地球から見た月の満ち欠けが一巡する朔望月の周期で巡ってきます。
満月から次の満月までの長さは約29.53日で、30日や31日が並ぶ暦月より少し短い。
このわずかな差が積み重なると、月初に来た満月が月末にももう一度入り込み、同じ暦月に2回満月が起こる余地が生まれます。
カレンダーに満月の日を書き込んでいくと、年ごとに日付が10日前後ずれていく感覚があり、このずれ方を追うと仕組みがすっと腑に落ちます。
満ち欠けの周期は約29.5日
朔望月は約29.5日で、満月の見え方が同じ位置に戻るまでの基本周期です。
30日か31日ある暦月と比べると、毎回1〜2日ぶんだけ月相の進み方が先に来るため、満月の時刻が少しずつ月初へ寄ったり月末へ寄ったりします。
観望会の配布資料で月初と月末の満月を2つの丸で描いて見せたとき、参加者が「あ、同じ月に入り込むのか」と一気に理解したことがありました。
図で見ると、時間の差が空間のずれとして見えるのです。
暦月とのわずかなズレが生む2回目
月の1日や2日に満月が来ると、約29.5日後にはその月の終わりごろに次の満月が重なります。
すると、月初の満月と月末の満月が同じ暦月に収まり、月相型ブルームーンになります。
毎月起こらないのは、満月の日付が前年とまったく同じではなく、年ごとに少しずつ前後へ動くからです。
タイミングがぴたりと噛み合う年だけ2回入り、平均すると約2〜3年に1度、つまり約30〜33か月に1度の巡り合わせになります。
暦と月の周期がきれいに一致しないところに、この現象の面白さがあります。
2月にブルームーンが無い理由
2月は28日、うるう年でも29日しかありません。
朔望月の約29.5日を同じ月の中に2回収めるだけの長さがないため、月相型ブルームーンは構造上起こり得ません。
逆に、2月に満月が1回もない年もあり、そのぶん前後の1月と3月に満月が寄ってくることがあります。
2月だけは「2回目」が生まれないだけでなく、満月そのものが抜け落ちることさえある。
暦の短さが、ここでははっきりした制約として働いているわけです。
もうひとつの定義|季節型ブルームーン
ブルームーンには、1か月に2回目の満月を指す月相型だけでなく、1つの季節に満月が4回あるときの3番目を指す季節型もあります。
実はこちらの方が古い由来を持ち、春夏秋冬に1年で満月が13回出る年にだけ姿を見せる、少しややこしい呼び名です。
天文ファン同士で「今年のブルームーンは月相型? 季節型?」とかみ合わなかったことがあり、それ以来、まず定義をそろえてから話すようになりました。
『季節で3番目の満月』という定義
季節型のブルームーンは、1つの季節、つまり春・夏・秋・冬のどこかに満月が4回入るとき、その3回目の満月を指します。
通常は1季節に満月は3回ですが、1年に満月が13回出る年は、どこか1つの季節だけ4回になるので、その“はみ出した1回”の扱いがポイントになるわけです。
季節ごとの満月に伝統的な呼び名を順番に当てていたため、4回のうちの3番目がブルームーンとして残りました。
難しく見えても、仕組みは「予定より多く入った1回を3番目に押し込んだ」と考えるとつかみやすいでしょう。
月相型とどちらが正しいのか
現在は月相型と季節型の2つが併存しており、どちらか一方だけが誤りという話ではありません。
ただし、ニュースや一般向けの記事で「ブルームーン」と言う場合は、ほぼ月相型を指します。
季節型は古い由来を持つぶん天文の話としては面白いのですが、日常会話では見かける機会が少なめです。
観望会で季節型を説明すると「そんな定義もあるのか」と驚かれることが多く、話のネタとしても喜ばれます。
2つの定義をどう使い分けるか
使い分けの基準は、相手が何を想像しているかを先にそろえることです。
日付の話題や報道の文脈では月相型、季節の流れや天文の由来をたどる場面では季節型、と考えると混乱しにくくなります。
季節型の次回の目安は2027年5月20日ごろなので、古い定義まで含めて話せると、ブルームーンの見え方がぐっと立体的になります。
2つの定義を知っておくと、単なる言い換えではなく、暦と月の数え方の違いまで見えてきます。
ブルームーンという名前の由来と誤解の歴史
ブルームーンという名前は、1500年代まで遡る英語の慣用句「once in a blue moon」に由来します。
青い月そのものを指すというより、「めったに起きないこと」を表す言い回しとして使われてきました。
やがて天文の世界では、古い年鑑が示していた季節型の定義と、1946年の記事をきっかけに広まった月相型の定義が並び立つようになり、名称の意味に二重の歴史が生まれたのです。
『once in a blue moon』という英語の慣用句
「once in a blue moon」は、青い月が出るほどの珍事という比喩から生まれた表現です。
語源を1500年代までたどると、当時から「あり得ないこと」「ごくまれなこと」を強調する言い方として機能していました。
天文現象の説明より先に、まず言葉としての比喩が広く根づいていたわけです。
だからこそ、ブルームーンという語には、空の現象と日常語の両方が重なっています。
1946年の記事が広めた『月2回目』の定義
古い年鑑でのブルームーンは、季節型の定義でした。
1季節に4回の満月があるとき、その3番目をブルームーンと呼ぶ考え方で、こちらが本来の天文的な定義です。
ところが1946年、ある天文誌の記事がこの説明を読み違え、年鑑の季節型を「1か月に2回目の満月」と紹介してしまいました。
分かりやすい定義だったために受け入れられ、月相型は一般向けの説明として急速に広まっていきます。
星のソムリエの講座でこの経緯を話すと、「誤解から広まったなんて」と受講者がいちばん盛り上がる定番の小ネタでもあります。
資料を作るときに和文と英文で説明が食い違い、出どころを一つずつ確かめて整理した経験もあり、言葉の定義は見た目以上に入り組んでいると感じさせられました。
誤解だったと判明したのは1999年
この取り違えは、1999年の調査で確認されました。
年鑑の季節型を紹介したつもりの1946年の記事が、結果として月相型の定義を広めた経路だったと整理されたのです。
ただ、その時点では月相型のほうがすでに定着しており、古い季節型と新しい月相型が併存する形になりました。
誤解が新しい慣習を生み、そのまま文化として残った例として見ると、ブルームーンの名前はなかなか味わい深い存在です。
本当に月が青く見えることはあるのか
月が青く見える現象は、呼び名のブルームーンとは別に、実際の大気現象として起こります。
火山噴火や大規模な森林火災で空気中に微粒子が広がると、月光の色が変わって見えるのです。
遠征先で空がかすみ、月がいつもより青白く、少し緑がかった夜がありましたが、後から煙や塵の影響だと知ると腑に落ちました。
火山灰や煙が起こす『青い月』
火山灰や煙が広がった空では、月が青〜緑に見えることがあります。
見た目の変化は演出ではなく、空気中の粒子が光を選んで通した結果です。
遠くまで漂う粒子が月光の色を変え、夜空の月にいつもと違う存在感を与えます。
たとえば1883年のクラカタウ火山の大噴火のあと、数年間にわたって世界各地で青い月や緑の月が報告されました。
噴火で放出された細かな粒子が大気中に広がり、月の光を赤みの強い成分から削っていったためです。
こうした記録が残っているからこそ、青い月は伝説ではなく、実際に観測された現象として扱えます。
大規模な森林火災の煙でも、同じ条件がそろえば青い月は起こり得ます。
燃え方の違いで粒子の性質が変わり、空に残る微粒子の分布も変化するため、月の見え方にも差が出ます。
夜空の異変として目を引きますが、背景にあるのはきわめて素直な物理現象です。
約1マイクロメートルの粒子がカギ
鍵になるのは、大気中に広がる直径およそ1マイクロメートルの微粒子です。
この大きさの粒子は赤い光をよく散乱させるのに、青い光は比較的通しやすいので、月光全体が青みを帯びて見えます。
空気がただ濁るのではなく、粒のサイズがそろっていることが色の変化を生みます。
この仕組みは、夕焼けが赤くなるのと同じく、光の波長と粒子のふるまいが合わさって起こります。
月そのものが青くなったのではなく、地球の大気が月光の通り道を変えているわけです。
見えているのは月の表面色ではなく、空気がつくった見かけの色だと押さえると理解しやすくなります。
観測の場でも、この説明をすると納得されることが多いです。
「ブルームーンって本当に青いんですか」と聞かれたとき、呼び名と実際の青い月を分けて話すと、たいてい表情がすっと変わります。
言葉の印象より、空気中の粒子が光をどう扱うかに目を向けると、現象の輪郭がはっきりします。
呼び名のブルームーンとは無関係
ブルームーンはカレンダー上の2回目の満月を指す呼び名で、月の色とは関係ありません。
つまり、名前に「ブルー」と入っていても、実際に青く見える月とは別物です。
ここを混同すると話がずれてしまうので、区別しておくと理解が一気に整理されます。
呼び名としてのブルームーンは暦の言葉、本当に青い月は大気現象です。
両者は同じ満月でも、成り立ちも見え方もまったく違います。
名前の面白さと物理現象の面白さを切り分けて考えると、月の話はぐっと奥行きを増します。
次のブルームーンはいつ?2026〜2037年の主な日付
2026年の月相型ブルームーンは5月31日で、この日は2026年で最も小さく見える満月、つまりマイクロムーンとも重なります。
編集現場では天文カレンダーを組むたびに、この種のブルームーンの年は読者の反応が大きいので早めに押さえておく流れになります。
しかも次の月相型は2028年12月31日、2031年9月30日、2034年7月31日と続き、約2.5年おきに巡ってくる感覚が日付の並びからつかみやすいでしょう。
2026年5月31日は『ブルーマイクロムーン』
2026年5月31日は、月相型ブルームーンであると同時に、2026年で最小の満月が重なる日です。
見かけの大きさに差が出る満月と、月のめぐりの区切りが重なるので、空の印象を比べて楽しみやすい一夜になります。
観測の側から見ると、前後の通常の満月と並べて撮り比べる計画を立てたくなる日で、同じ満月でも距離や見え方の違いが意外とはっきり伝わるはずです。
2028年・2031年・2034年の次回日
月相型ブルームーンの次回日は、2028年12月31日、2031年9月30日、2034年7月31日です。
年の切れ目や季節の変わり目に近い日付が並ぶため、年間の天文カレンダーに入れると印象に残りやすいでしょう。
毎年の予定表ではつい月食や流星群を先に見がちですが、ブルームーンは読者の関心が高く、先に並べておくと記事設計もしやすくなります。
ここで押さえたいのは、これらがあくまで月相型の列だという点です。
季節型のブルームーンは2027年5月20日ごろが次回の目安で、こちらは月相型とは別の数え方です。
似た言葉でも基準が違うので、一覧表は分けて扱ってください。
混同すると「次のブルームーン」が複数あるように見えますが、実際にはカウント方法が異なるだけで、観望の準備はどちらも立てられます。
1年に2回出る2037年という珍しさ
2037年は、1月31日と3月31日にブルームーンが2回出る珍しい年です。
2月に満月が1回も入らないため、満月のリズムが前後の月へ押し出され、結果として年内に2度のブルームーンが生まれます。
こうした年は1世紀に数回しかないため、日付だけでも記憶に残りやすいでしょう。
天文カレンダーを作る立場では、こうした希少年を早めに拾っておくと、年間企画の軸がぐっと締まります。
ブルームーンの楽しみ方と観望のコツ
ブルームーンは、特別に身構えなくても楽しめる満月です。
日没ごろに東から昇り、その夜は空を渡っていくので、厳密な満月の時刻を逃したからといって見逃したことにはなりません。
まずは空を見上げて、ふだんより少し明るい夜を味わってみましょう。
満月は一晩中見えるので構えすぎない
満月は日没ごろに東から昇り、夜通し観望できます。
だから、満月の瞬間そのものを時計の分単位で追いかける必要はありません。
その夜に月が空にあれば、見上げたタイミングで十分に楽しめます。
構えすぎず、帰宅後にベランダや近所の空をのぞくだけでも、月の強い存在感はきちんと伝わるでしょう。
遠征先で山の稜線越しに月の出を待ったときも、空気が少し青さを残す時間に月が顔を出した瞬間、周囲から思わず歓声が上がりました。
満月は「見られたら終わり」ではなく、昇ってから沈むまでの流れそのものが見どころです。
予定が詰まっていても、少し遅れて空を見上げれば間に合います。
月の出を狙うと印象的に見える
月の出直後は、地平線の近くで月が大きく見えます。
これは実際のサイズが変わるわけではなく、月の錯視によるものです。
建物や山並みと重なると比較対象ができるため、同じ満月でも輪郭の迫力が増して感じられます。
見た目のインパクトを味わうなら、昇り始めの時間帯がいちばんおすすめです。
観望会でも、山の稜線の上に月が乗った瞬間は空気が変わります。
月の縁がくっきり見え、色も低い位置ならではの落ち着いた表情になるので、参加者の反応がいちばん大きくなる場面でした。
高く上がってからの月ももちろんきれいですが、初めて見る人に月の魅力を伝えるなら、月の出を狙ってみてください。
スマホ・カメラでの撮り方の基本
スマホやカメラで月を撮るなら、まず明るさ、つまり露出を下げるのが基本です。
そのまま撮ると月面が白く飛びやすく、模様が消えてしまいます。
露出を少し抑えるだけで、クレーターの凹凸やうさぎ模様が残りやすくなり、見た目に近い月になります。
難しい操作を覚える前に、まずは明るすぎない一枚を狙いましょう。
参加者のスマホで撮り直したときも、露出を一段下げた途端、白い円だった月にうさぎ模様が戻ってきました。
画面を見た本人が「こんなに模様が出るんですね」と声を上げたほどで、設定ひとつで写り方が大きく変わります。
スマホでも十分に狙えますし、カメラならさらに細部が残りやすいので、まずは露出補正を触ってみてください。
ブルームーンはスーパームーンやマイクロムーンと重なることもあります。
2026年5月31日はマイクロムーンなので、同じ満月でも見え方の印象を比べる楽しみがあります。
大きさの違いに目を向けると、ただ月を見るだけでなく、「今日はどの満月なのか」を意識して観望できるようになります。
いつもの満月観望が、少しだけ奥深くなるはずです。
元プラネタリウムスタッフ。年間60夜以上の観測遠征を続けるフリー天文ライター。星空案内人の資格を持ち、全国の観測スポットと季節の星空ガイドを得意とします。
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